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ネタバレ感想&解説【ユージュアル・サスペクツ】いつ観ても色あせないサスペンス映画に君臨するラスボス

感想(ネタバレあり)

ざっくりネタバレあらすじ

 

冒頭にキートンの現在から始まり、カイザー・ソゼと思われる者が現れます。

撃たれているキートンは「脚の感覚がないよ、カイザー」と言います。

正体を知ってしまったキートンは、覚悟したようにソゼに時間を聞き殺されます(決定的な描写なし)

  • KEYSER :How you doing,keaton?
  • KEATON :I can’t feel legs,Keyser. ←※すでに伏線です
  • KEYSER :Ready?
  • KEATON :What time is it?
  • KEYSER :12:30.

こちらが英語でのやりとり。

 

そして、その一部始終を見ていると思われる者。

燃え盛るボートを背景に、時は過去に戻り、冒頭の現在までを辿るという構成になっています。

 


引用元:AmazonPrimeVideo | ユージュアルサスペクツ

集められた5人の有力な容疑者たち 左から順に
  • ホックニー:爆薬のプロ
  • マクマナス:短気な性格でフェンスターと犯罪コンビ、銃の腕前がピカイチ
  • フェンスター:クレイジーだが、盗みのプロ、英語が独特の言い回し
  • キートン:5人の前科者の中では頭脳明晰で、足を洗おうとしていた
  • ヴァーバル:詐欺師で頭脳派、左半身が不自由

 

このシーンで有名な逸話が、フェンスター演じるベネチオ・デル・トロが英語の読み方をアドリブで変な発音をして周りの笑いを誘うというNGカットだったものが、そのまま採用され映画でも使われているシーンです。自然な笑みのこぼれるシーンでヴァーハル演じるケヴィン・スペイシーもつられて笑っちゃってますね。

 

でっちあげの捜査で、わりと適当に集められた5人は拘留中にマクマナスのヤマの話にキートン以外は乗ることに。

 

ここで話は現在に戻り、焼かれたボートの捜査にFBIのジャック・ベアが到着。

生存者が2人いることが判明し、1人は昏睡状態で病院に、1人は障害者ということ。

この桟橋とボートの惨状は悲惨なもので、27人が死亡。

消えた9100万ドル相当のヤクが原因だそう。

 

FBIのジャック・ベアは病院にいる証人に話を聞こうとするも、手がかりは「カイザー・ソゼ」の言葉。

すぐさま、関税局のクイヤン捜査官を呼ぶジャックベア。

カイザー・ソゼに詳しい人物なのだろうか。

そして場面は、クイヤン捜査官とヴァーバルの尋問シーンへ移る。

※伏線1(0:24:11あたり)

ここで、細かい描写としてヴァーバルがタバコに火をつけようとするシーンがあります。

左手が思うように動かずにライターを落としてしまいます。

 

クイヤン捜査官の名言殺しの犯人の見分け方を?

容疑者が3人いたら一緒にブチ込む

翌朝グッスリ眠ってる奴が犯人だ

捕まって ホッとしてる

 

さて、ここらあたりで、ヴァーバルが詰問されていくも、全く動じない様子に、ケチな詐欺師でない事はオーラから見て取れます。

クイヤン捜査官も重要な秘密を握っているはずだとして、尋問を続けます。

 

そして、面通しの後の回想シーンへ。

全ての映像が、ヴァーバルの証言が基になっているのがミソ

恋人のイーディと話すシーンで、投資者が逮捕によって前科がバレてしまいもう終わりだ、と言っているあたりから、本気でビジネスマンとして更生しようとしている姿勢が見てとれますね。

拘留中のマクマナスのヤマは金額も大きいがリスクも大きいヤマで、5人は必ず必要になるヤマでキートンも必要だった。

血を流さずにヤマを踏む方法があると、ヴァーバルはキートンに持ちかけ、300万ドル以上の価値があるヤマに、ついにキートンは乗る。

汚職警官が護衛する車を狙い、大量のエメラルドを奪う。

 

そして再び尋問シーンへ。

クイヤン捜査官は、徹底的にキートンを疑っており、特に冷酷で殺人罪の容疑や証人が謎に殺害されることなどから、キートンの素性が生粋のワルであるとにらむ。

ジャック・ベアは病院で生き残りから、カイザー・ソゼの聞き込みを行い、似顔絵を作ることに成功する。

※伏線2(0:42:11あたり)一瞬です

尋問中に「知ってることを吐くんだ!」と掴みかかったクイヤン捜査官の手を、麻痺しているはずの左手で払いのけるシーンが出てきます。

 

ここで、コバヤシという弁護士の名前が出てきます。

港の事件を仕組んだのはコバヤシだと言うヴァーバル。

 

再びヴァーバルの回想シーンへ。

次は宝石商を襲うヤマに話は移ります。

宝石だと思って奪った鞄の中身は大量のヘロイン。

これに怒ったキートン一味は、宝石商のヤマを持ってきた一味に文句を付けにいき、そのヤマの出所が、弁護士のコバヤシということを突き止めます。

ここで尋問シーンに戻り、港の船にヤクは積まれていなかったことが、生存者によって判明。

再び回想シーンへ。

カイザー・ソゼの手下としてコバヤシ氏が現れ、ここにいる5人はカイザー・ソゼの物を盗んだと、なので借りを返せと。

カイザー・ソゼの主なビジネスは麻薬ビジネスで、アルゼンチンの競合が9100万ドル相当のヤクを3日後に買い付けることを突き止めたと話すコバヤシ。

この取引を阻止することで、貸しはチャラにすると言う。

作戦も自由、金も作戦後に奪って持っていけという、そして、阻止した後は燃やせと指示し、カバンを残しコバヤシは去る。

かばんの中には個人にあてられたの記録がそれぞれ詳細に書かれており、組織の大きさとヤバさを感じる5人。

 

再び尋問シーンへ。

ヴァーバルは、ソゼはトルコ人で、父親がドイツ人らしいと言い、トルコ時代の伝説を聞いたことがあると言い出す。

そしてこんな逸話を話し出す。

「トルコ時代の彼の伝説を聞いたことがある。ハンガリー人の組織が暗黒街を牛耳ろうとしていた。そのために必要なものは銃でもなく金でもなく鉄の意志だった。ハンガリー人組織にとって、ヤクの売人だったソゼが邪魔だった。奴らは家を襲った。ソゼは留守で妻と子供が家にいた。帰宅するとレイプされた妻と泣き叫ぶ子供たち。ハンガリー人たちのやり方はハンパじゃなかった。(子供を殺す)縄張りを渡せと、ソゼを脅した。ソゼは家族の顔を見やって、鉄の意志がどんなものか見せた。

彼は言った「いっそ殺す方が妻と子供の救いになる」と。

彼は1人だけ敵を逃して葬式のあと復讐に出かけた。そして、襲った奴の妻子と両親その友達を殺し、彼らの家と彼らが働いていた店を焼き、彼らに金を借りていた奴まで殺して・・・

地下に潜って姿を消し伝説となった。」

「ギャングたちは子どもたちにこう言う、いい子にしろソゼが来るぞ」

ジャック・ベアも全身やけどの男が震えるほど怖がっているのを見て、カイザー・ソゼを追いはじめる。

 

再び回想シーンへ。

フェンスターが翌朝消え、カイザー・ソゼにびびって「good luck」のメモを残し金を持ち逃げした。

コバヤシから電話があり、マクマナスの居場所を教えてくれる。

海岸で死体となってフェンスターが見つかってしまう。

キートンはコバヤシを殺すことを決意。

ビルに乗り込む4人。

コバヤシを殺そうとするも、イーディやその他の身内がたてとなっていつでも家族を殺せることを示すコバヤシ。

結局ヤマを踏むしか選択肢はなくなってしまう。

船に爆薬を仕掛け、強襲する4人だが、ホックニーが金を見つけたワゴンで何者かに殺されてしまう。

船内のヤクを探すも見つからないうちに、ソゼの商売仇と思われるボスは何者かによって殺される。

そして、後頭部を刺されたマクマナスがキートンの前に現れる。

同時に、ヴァーバルは撃たれて死亡しているホックニーを見つける。

この時、背後からキートンが背広姿の男に撃たれてしまうのを、ヴァーバルは目撃する。

 

そして冒頭の部分のシーンまで繋がる。

尋問シーンへ戻る。

ソゼの商売仇と思われた人物の名前は、アルトゥーロ・マルケス。

唯一、ソゼの顔を知っている男で、このアルトゥーロを消すことがソゼの目的だったと言うクイヤン捜査官。

そして、キートンがカイザー・ソゼだと言うクイヤン。

そこで、イーディが殺されたことが判明する。

尋問をしていた部屋でクイヤンはコーヒーを飲みながら、ヴァーヴァルとの話を思い返していると

 

イリノイ州でカルテットを・・・

名はレッドフッド・・・

バリトンはデブ男で・・・

グアテマラのコーヒー園で・・・

名はコバヤシ・・・

全て尋問していた部屋にあった黒板の内容で、コバヤシという名前は飲んでいたコーヒーの陶器の名前であることにクイヤンは気づきます。

警察署に送られてきた似顔絵は、ヴァーバル・キントそのもので、カイザー・ソゼの正体がヴァーバルであることにやっと気づきます。

警察署を出たキートンは、引きずっていた足は徐々に普通になり、麻痺していたはずの左手で金のライターでタバコを付けます。

そして、「コバヤシ」の迎えの車に乗り、カイザー・ソゼは去っていくのでした。

 

伏線の意味&ネタバレ解説

左利きと皮肉


左手に銃を持ちかえたカイザー・ソゼ

左半身が麻痺していたはずのキントに対する皮肉

引用元:AmazonPrimeVideo | ユージュアルサスペクツ

左利きであるカイザー・ソゼの正体はヴァーバル・キントだったというのが一番ショッキングなオチでしたが、冒頭にすでにこれは伏線として張られていました。

キートンがカイザー・ソゼと対峙し、死を覚悟した場面で「脚の感覚がないよ、カイザー」と、まるで身内のような言い方をしています。

これはキートンが知っている人物という事を示唆しており、脚の感覚がないというのは、左半身を麻痺していたように見せていたヴァーバル・キントへの強烈な皮肉そのものでしょう。

冒頭のシーンを覚えていた人にとっては、左利きというのが色濃く残ってしまい、左半身が麻痺しているヴァーバル・キントへのカモフラージュが知らず知らず効いていたことに最後になって気づきます。

カイザー・ソゼの持っていたライター


冒頭でカイザー・ソゼが持っていた金のライター

ヴァーバル・キントが警察署を出た後に左のポケットから取り出した金のライター

引用元:AmazonPrimeVideo | ユージュアルサスペクツ

これで決定的にカイザー・ソゼ=ヴァーバル・キントということが分かりました。

金で形も全く一緒なのが分かります。

不自由なはずの左手

引用元:AmazonPrimeVideo | ユージュアルサスペクツ

クイヤン捜査官の左手を、とっさに左手で払いのけるシーンがありました。こんなのよく気づきましたね。自分は全く気付かなかったです。

42分ほど経過している映像なので、注意深く観てる人であれば、「あれ?」と思ったのかもしれませんね。

気付いた人にとっては決定的なネタばらしシーンです。

クイヤン捜査官が気付いたカイザー・ソゼの正体


尋問を行っていた部屋

コーヒーグラスの裏に書かれた「KOBAYASHI」の文字

引用元:AmazonPrimeVideo | ユージュアルサスペクツ

完全にキートンが黒幕だと踏んでいたクイヤン捜査官にとっては、まんまといっぱい食わされたシーン。

全ての話が、その場にあったもので固有名詞を繋げて話を作ったということが判明し、あとを追うももうそこにはカイザー・ソゼの姿は消えていました。

唯一の生存者が見た似顔絵は結局誰だったのか?

引用元:AmazonPrimeVideo | ユージュアルサスペクツ

完全にケヴィン・スペイシー(ヴァーバル・キント)ですね。

ここで顔が割れてしまったため、カイザー・ソゼの正体は知れ渡ってしまうことになりますね。

カイザー・ソゼの正体は本当にヴァーバル・キントなのか?

ここは鑑賞後に1番疑問に思ったところです。

カイザー・ソゼはそもそも、目的としては、自分の顔を知っているアルトゥーロ・マルケスを消すために、5人を雇いそして殺害に成功しました。

そして、1番厄介なのが映像として流れていたものは、ヴァーバル・キントの回想でしかない、という点です。

冒頭でも最後でも、キートンが決定的に死んだという映像は描写として出ませんし、あえてそれを描写しない理由がよく分からないんですよね。

他の3人は、死んだと思わせる描写がしっかり映っていましたが、キートンだけは描写がないのには意味がありそうです。

1度死んだ事を偽造した過去があり、何かまた偽装したんではないか?という事をあえて匂わせているように感じてきます。

この理由から、キートンがカイザー・ソゼ説もあったり、キートンとヴァーヴァルがグルじゃないのか?なんて説もあったりします。

 

しかし、カイザー・ソゼほどの人物が、わざわざ危険な商売仇のところへ行って前線の兵士のようなことをするでしょうか?

何かこのヴァーバル・キントはカイザー・ソゼではなく、カイザー・ソゼの手下じゃないのか?と思えてきます。

コバヤシがカイザー・ソゼな気がしてならない

カイザー・ソゼの正体をいわば、煙に巻くための広告塔としての役割が、ヴァーバル・キントで、劇中に出てきた「コバヤシ」がカイザー・ソゼだと考える方が、もはや筋が通るような気もしてきます。

そうでないと、唯一の生存者を殺せず、似顔絵も広まってしまい、謎のままに出来なかったという、カイザー・ソゼの失敗談としての話で終わってしまう気がするんですよね。

それが、「コバヤシ」がカイザー・ソゼであるなら、納得がいきます。

なんせ「コバヤシ」との接点を持っているのは、ヴァーバル・キントのみだからです。

回想シーンでは、接点を持っているように描かれていますが、あくまでヴァーバル・キントの話を基にした描写です。

これであれば、伝説の男カイザー・ソゼとしての筋が通ります。

まぁ、よく分かりませんが、みなさんも色々と考えを巡らせてみると、おもしろいですよ!

 

Keyser Fucking SOZE!! が劇中に出てくるアメリカン・スナイパーもおすすめです。

 

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