香川県のゲーム依存対策条例素案
香川県においてゲーム依存対策条例素案が提出されました。
原文は香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(素案)で見る事が出来ます。
ほんとにこれ日本国内で作られたもの?と疑いたくなるような内容です。
主な概要をまとめると
- スマホなどの使用は1日1時間(休日は90分)を上限とする(新案により「スマホなど」の記述が「コンピューターゲーム」に変更)
- 小中学生以下は午後9時、それ以外は同10時以降の使用を禁止
1時間とする明確な科学的根拠がないだとか、ゲームはどこまで含まれるとかそういう議論は、かなりされているようですが、自分はあまりそういうところの議論は揚げ足の取り合いなだけで、あまり意味を感じていません。
資本主義の根底を理解していない
このような素案が出ること自体驚きですが、これは完全に個人の行動の自由を奪う行為ではないでしょうか。
自由な経済活動の中で、各個人が自由に行動することで経済発展していくのが資本主義だと思いますが、この素案自体が、資本主義への挑戦状のように捉えています。
行政が各個人の行動をコントロール出来る(強制力はなさそうですが)状態と言うのは、資本主義国家において不健全そのものと言わざるを得ません。
この条例の行き着く先は、監視社会が広がり、各人の行動の自由が奪われる、そういうビジョンしか沸きません。
世界的に見ても、こういう国家は旧ソビエトが崩壊後は、中国と北朝鮮位のものでしょう。
こんな過去失敗したような監視統制型のモデルを香川県で繰り広げるつもりなんでしょうか、ちょっと危険すぎます。
ゲームメーカー側としては、ゲームを香川県で売らない、かゲームタイトル画面で、「あなたは香川県在住ですか?」なんて文言を入れ、yesだった場合、1時間でゲームがシャットダウンするようなプログラムを入れなければならないでしょう。
ネット・ゲーム依存症の解決への想いは理解できる
たしかに、ネットやゲームの依存症によって引きこもりが起きたり、学力の低下が起こる事は確かに問題ではあるでしょう。
真意としては、条文を読む限り、親サイドへの「あんたらもちょっとは意識持ってやってくれよ!」というのは理解できます。
子を持つ親の身ですが、やはり子供がそれなりの年齢になった時にのばなしに延々とゲームをやらせて何も言わないという事はしないと思います。
ここに対して、科学的に証拠や関連性が示せないから反発している方は、若干ナンセンスだな、と思っています。
科学的に証拠が示せなくても、朝から晩までゲーム漬けの子供の学力が低下するのは当然と言えば当然だと思います。
この問題は保護者の意識の問題なのでは?
このネットゲームやスマホというのは、登場してからまだ歴史が浅いのでどう扱っていいのか親世代も困惑しているんではないでしょうか。
スマホ世代を両親に持つ子供たちが徐々に増えてきていると思いますが、おそらくこの世代の保護者の扱いに行政も危機感を持ったんではないでしょうか?
ただ、条例で定めるということには反対ですし、ここは各家庭と自己責任にまかせるべき事ではないかなと思います。
というより、これが資本主義の大原則なはずです。
これだけの反響があったという事は関心もおそらく高いはずですし、もう少し違った形でこの世代の「教育」をする手段はいくらでもありそうです。
要するに、しつけが出来ない大人が増えた、という事でしょう。
パワハラとしつけ(指導)が混同されるような時代ですから、まぁ仕方ない面もありそうではあります。
とはいえ、行政というもの自体、何か困った時に全力で相談に乗れるように準備しておく、というスタンスでいるべきでしょう。
まとめ
日本国内において、「自由」というものがはく奪されようとしている時に、国民はもっと怒るべきだし、関心をもつべきだと思います。
こういう監視型統制の法案は、一度通ると必ずエスカレートしていきます。
断固反対意見ですが、賛成意見もあるようです。
賛成意見の方に言いたいのは、国がどうにかしてくれるという「甘え」をそろそろ捨てて、「自由」を勝ち取るために日々行動する方が、これからの時代は生き残れる確率は高いですよ、という事です。
「自由」というものの価値を今一度考えてみてはどうでしょうか?